行政書士になってよかったことは?

 行政書士になってよかったことは?
 
「行政書士になってよかったことは?」、と時々きかれます。一言で言えば35年もの間、業務を継続できたことに尽きます。これほど永く続けられるとは思ってもみませんでした。他の資格や職種ではこうはならなかった、とつくづく思います。
 そして、当然ですが法律用語にも自然となじむことができましたし、どの役所へも抵抗なく出向けるようになりました。
 さらに、家庭裁判所の調停委員にも任命されたことも収穫でした。おかげさまで、裁判官、書記官、そして弁護士の方々とも面識が広がり得難い交流がありました。
 もし、私が「行政書士」でもなく一般の退職者であったら、はたして任命されただろうか。それは無理だったのではないかと思われます。やはり、行政書士という資格があったということが、調停委員になれた大きな理由と思われます。
 家庭裁判所へはさまざまな方が見えます。相手方へ渡す現金をテーブルへ叩きつける方、腕の入れ墨をわざと見せる方、調停の始まりからずっと泣きどおしの女性、というように、事務所や相談会では体験したことのない場面も数多くありました。
だんだんとそれらひとつひとつにもなれてゆき、自分の業務にも役立つことがあり貴重な体験でした。なにしろ生(なま)の体験ですから。
新人の方々へこのような体験談を話すと、それでは私も調停委員に、と言われます。それはよいのですが、調停委員になると、それが目的になってしまい、行政書士業務がおろそかになる傾向があります。
調停委員になることはあくまで行政書士としての業務が実り多いものとなるための訓練と考えるべきでしょう。
 プロと言えるためには、行政書士として事務所経営、生活が成り立たなければなりません。これはなかなか困難なことです。しかし、重要です。
 調停や無料相談会での経験も業務に役立つように、体験を重ねてください。私は調停委員の途中で体調不良となり、6年間で退任することとなりました。体への負担が大きかったのかも知れません。しかし、すでに述べたように行政書士から調停委員となり、さまざまな体験のおかげで現在も相続業務をはじめとする行政書士業務を続けています。
 そして、調停委員以外にも自治会役員、行政書士会役員、研修会講師というような立場を経験して来ました。困難な場合もありましたが、事務所でひたすら電話を待っているのとはちがいます。これらはすべて営業につながるのです。
 新人行政書士の先生方は「営業」は人との交流であることを忘れずに継続してください。
                                             以  上

                                   塾長 黒 田 広 史


2023/09/19

 今年は夏祭が開かれた町内会も多かったのではないで ...>>続きを読む



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